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2022春の質問箱3:プロットの作り方がイマイチよく分かりません。


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質問原文です。

プロットの作り方がイマイチよく分かりません。

いつもはなんとなく頭の中で「こんな感じの流れにしよう」とぼんやり考えて書き始め、軌道修正しつつ短めの話を完成させています。(今のところ2〜4千字程度の文字数しか書いたことがありません)けれどもう少し文字を書くことに慣れたら、いずれは3〜4万字くらいの長い作品を書いてみたいと思っていて、そのボリュームだとしっかりとしたプロットが必要になるんだろうなと考えています。

恐らくプロットの作り方も人それぞれだとは思うのですが、作る時のこだわりやポイントなどについてぜひ聞いてみたいです!


ご質問を要約すると、2つに分けられるかな、と思います。


①読み応えのある文量を書けるようになりたいけどコツはありますか?


→長編のしくみを考えてみましょう。

わたしの場合、長い話を書くぞ~ではなくて、感情の整合性を保とうとすると、必然的に長くなる、という困った癖があります。

どういうことかというと、『受けくんが、攻めを愛するようになるまで、かかる行程と物語内の時間』に置き換えてみてください。われらの推しはちょろくてもいいが、奥手でもいいですよね……。


だがしかしこれについては、わたしもうまく説明できない。

本日、2020年の作品がプロット(構成)段階で躓いていたことを編集さんに指摘されたところでございます!

どこに赤ペンが入ったかというと、初っ端のエモティクルの低さでございます。

わたしの場合、エモティクルが上がってくるのがずっとあとの方(もったいつけてしまう癖)があり、情報の開示が遅いとのご指摘がピシパシありました。

べんきょうになるます!

※エモティクルなんてことばはありません。でもなんとなくわかってもらえると思っている。構造の方向性のひとつだとおもってくださいね!


しかしながら、感情の移り変わり、嫌いだったけど好きになるみたいなながれは、

ひとつふたつのイベントで、急に方向転換にはならないと思うんです。


ここで今一度、エモティクルグラフをごらんください。

上部に黄緑の心電図みたいなのがございます。それが起承転結の波です。

長いお話というのは、かならず小さな起承転結の積み重ねで形成されています。


だからいまは無理に長い話を書こうとするのではなく、

先日書きあげた4000字のふたりが、その翌週にどんなすったもんだをしているのか、妄想を膨らませてみるのはいかがでしょうか?


翌週に初デートを予定していたとしたら、

1⃣初デートの準備の様子から書くのか

2⃣待ち合わせで落ち合ったところから書くのか

3⃣初デートが成功or失敗したというくだりから書くのか

エトセトラララ、ふたたび筆を走らせるシーンにもバリエーションを持てると思うんです。


いまは短い4000字も、そのつぎの話でさらに4000字になり……あっというまに、1万字です! 


余談ーーーーー

4月から大学生やってまして、レポートの文字数指定を見ていたところ800字程度とありました。Σ@@800!?!? それだけでいいの!?!? やっさしいな!?っておもってしまいました。まあ……興味のないことには800字は苦痛なんですけどもね……!

ーーーーーーー



→ワンフレーズでいいからメインディッシュを書き出して、妄想をピン留めする。

ご質問の文章中にあるぼんやりとしたアイデアをとりあえずワンフレーズでも書き出しましょう。

たとえばですが『推しCPが温泉に日帰りデートする』という

このワンフレーズをストーリーのコルセット(固定枠:サブタイトル)にします。

そうすると

1⃣車で行く?電車で行く?

2⃣露天?屋上?内湯?貸し切り?

3⃣チューはするのかな?

と、デートに関することを決めなくてはならず、ストーリーが連鎖的に進み始めます。

妄想はお得意のはずですネ♡

選択肢を自分で作って、自分で選ぶ。そのくり返しで物語の骨が組まれていく。




→書きたいテーマが書けているのか、読み返しましょう

むかしむかし、惜しいお話がありました。

ページ数10p程度、推しが某絶叫系遊園地でデートするお題でした。

ところがおはなしは、ほぼ待ち時間で、待機している推しが書かれており、メインディッシュが4pという感じになっており……。

読み返していたら気づけたと思うんですが、デートではなく、『待機列』の話になっておりました。ご自身がたくさん待ったという思い出がおありのようで、それにひっぱられてしまったのかと思われます。


書いている最中は、近眼になりがちで、本当にその文量で語らねばならないのかが、わからなくなります。(ミーがそうです)


肝心なのは、選択肢の軌跡を忘れないことです。

選択とは行動であり、行動とは感情から始まります。

感情がブレると、キャラクターがうすっぺらくなってしまうため、

感情は一貫性をもっていることが重要です。





②長い物語のためのプロットは、どんなふうに作っていますか?


プロットをギチギチにしないことを推奨します。コルセットは大きめにしましょう。

時刻表みたいなプロットは飽きます。じぶんを飽きさせないことが最大のコツです。

風呂にA4紙とペンを持ち込んで、のぼせる前にプロットを書き切る!みたいなことをときどきやります。後半は焦ってくるので余白ができるし、めっちゃくっちゃぐだぐだです。それを次の晩の風呂の前に読み返して、遂行されたプロットを風呂で書き出します。

プロットって、構成(開示順)の確認作業だとおもっているので、より胸熱な展開を練る道具という側面もあると思うので、固執しないことを推奨します。



設計図ができたら書けるというものではないと思っています。

無理にきちきちに組むよりも、とにかく一本書ききって、達成感と起承転結の肌感覚をたくさん掴むほうがよいかとおもいます。


答えがとっちらかっていて、参考にならないかもしれません。

漫画でも小説でも、現実の大量の情報から削ぎ落として、二次元の媒体に収まるぶんだけで伝えきるという過程は同じ。一度選んだら、書いたぶんを消さないと戻れなくなる。

コルセットに紐づいて生まれてくる選択肢を、たくさん妄想して、厳選してみてくださいね!









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